2011/01/23

やのまん



今日打ち合わせで哲丸とヤノマンと文の字と会った。
その帰りに最寄り駅から家までとぼとぼ歩いてた。
そのうちいつものコースのボロアパートを右目に見る小道に入ったんだ。
12時すぎてたしアパートはどの部屋も明かりが付いていなかった。
俺は何も考えず何の明かりも無い部屋を一部屋一部屋ぼんやり見ながら歩いていたんだ。
そしてふと視界に小汚えじじいが入った。おれはびっくりして


「ギャアアアアアアアアアア!!!」


と叫んでしまった。この時、不思議と俺は歩を止めなかった。
だんだん遠くなるそのじじいを凝視はしている。叫び続けてもいる。
そのじじいはベランダ越しにその小道にしょんべんをしている。そして俺を見てもいる。
俺とじじいは見つめ合っている。俺は


「なんだてめえ!!」


と叫ぶ。じじいはまだ俺を見てる。しょんべんもしている。小道に落ちたしょんべんは、道の端をつたって排水溝に落ちる。俺は


「お前なんなんだよ!」


と叫ぶ。明かりもつけずにじじいは尿が止まっても仁王立ちで俺を見てる。俺はじじいの方を見ながら前に歩いてる。もうすぐ小道が終わる。じじいはまだ俺を見てる。俺は右に曲がるだろう。じじいともこれでもう会うことも無いだろう。でも俺は前に歩を進める。これから様々な事が俺を通り過ぎるだろう。俺はそれを凝視して、じっくり見る。納得いかなければ叫ぶだろう。罵声を浴びせ、さらに激しく罵るだろう。それが金なら拾うだろう。いい女なら抱くだろう。でも俺は歩をやめないだろう。


これからも、


そう、これからも。



卒業生、起立!

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